蓼喰う虫も好き好きの由来は?

諺の『蓼食う虫も好きずき』の由来は?

長野県に蓼科高原(たてしなこうげん)と言う所があります。
長野県中東部、蓼科山麓の高原。白樺湖・女神湖・蓼科湖など蓼科温泉郷などがある観光地を一般的に蓼科高原と呼びます。この蓼科(たてしな)の由来は、この地方一帯に昔から蓼科(たで科)の植物が群生していたことにあります。

この蓼(たで)は諺にもる、『蓼食う虫も好きずき』あの蓼のことです。この蓼科の植物は苦味が強く、特にやなぎ蓼(本蓼、真蓼とも言う)は苦味が強く、乾燥して粉に挽くと香辛料(英名:water pepper)の原料に成ります、しかしながら、この苦い蓼の葉を好んで食べる虫がいます。虫の名前は、羽虫の仲間の蓼ハムシで、体調は2~3mmぐらいの小さなニイニイ蝉に似た昆虫です。

なぜ。この蓼ハムシが苦い蓼を好んで食べるのか不思議に想い観察したところ、口元が蝉と同じストロー状で、葉の内部にストローを刺して樹液を吸います。よく観察しますと一旦、吸った樹液を吐き出したり、また吸い込んだりしていました。その理由は、蓼の苦味成分である精油のタデオール、ポリフェノール類のポリゴジアールを吸わないように泡立ててホイップ状にして吸っていたのです。

蓼には、蓼酸が含まれていますので、pHは3.5~4.2の酸性です。この酸味と泡の関係は、撹拌すると葉の組織内で泡立ちますが、酸性下では泡の径が、くちばしの吸管の径より大きな気泡を形成しストロー管を通過できませんので、油性の苦味成分を分離精製して吸引していました。樹液のpHがアルカリ性に向いていれば、吸ったり吐き出したりしてホイップ状にすると、逆に気泡の粒子径が吸管の径より小さなきめの細かい粒子となり、苦味成分を吸い込んでしまいます。蓼ハムシは、経験的に、その物理化学的な性質を知っていたのです。

蓼ハムシの真の狙いは配糖体と呼ばれる苦味のある糖にありました。苦味を取り除く為に結合部位、グリコシド結合を、蓼ハムシの唾液にもつβ-グルコシダーゼと呼ばれる消化酵素を吐き出すことで、グリコシド結合を切り離して、苦味の素である配糖体を分解し、ブドウ糖に換えて美味しく、効率的に栄養成分を抽出して食べていたのです。

蓼食う虫は辛党ではなく甘党でした。なんと賢い虫、私達も、この虫に見習い食事の際は何回も良く噛んで美味しく食べることを心掛けたいものです。 

             株式会社ライラック研究所
             研究所長 平岩 節(たかし)

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